フィギュアスケートは採点競技の1つです。
では、どのように採点されているのでしょうか?
素人にはなかなかわかりづらいです。
ここで、フィギュアスケートの採点方法と減点ルールについてご紹介します。
なお、こちらではシングルについての解説のみをさせていただきます。
フィギュアスケートの採点方法
フィギュアスケートの採点方法についてご紹介します。得点は、技術点と演技構成点で構成されています。
そのため、どちらか一方の得点が低ければ、上位に入るのは厳しくなります。
ただ、減点ルールに該当することがあれば、当然減点の対象となります。
高得点を獲得するためには、技術点と演技構成点で高い得点を獲り、減点をできる限り減らすことが重要です。
採点方法の大枠はこれでわかりました。
では、大会で優勝するためにはどうすればよいのでしょうか?
シングルでは、男女ともにショートとフリーを滑ります。
ショートもフリーも、上の採点方法を元に得点を算出します。
最終的には、その合計点が高い選手が優勝となります。
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フィギュアスケートの技術点とは
フィギュアスケートの技術点についてご紹介します。技術点は、基礎点とGOE(出来栄え点)によって決定します。
基礎点とは、行った技に対する基礎となる得点のことです。
基礎点を出すために、要素の入り方(技を行った際の動作)・回転数・レベルがチェックされます。
ジャンプを例に挙げると、どのような踏切でジャンプを行ったのか、回転不足はなかったのかなどがみられます。
もちろん、ショートやフリーのルールで決まった演技をしないと基礎点は加算されません。
また、演技の後半に行ったジャンプについては基礎点が1.1倍と高くなります。
以前は高得点を獲るために、すべてのジャンプを後半に行うという極端なプログラム構成で臨んだ選手もいました。
しかし、現在はルールの変更があり、決まった数のジャンプしか高くなりません。
基礎点が1.1倍となるのは、
- ショートでは演技後半の最後の1本のみ
- フリーでは演技後半の最後の3本のみ
となっています。
それ以上行っても、基礎点は同じです。
基礎点が出れば、演技審判がそれぞれの技の出来栄え(GOE)を評価していきます。
評価は全部で11段階(-5~+5)あります。
公正を期すために、最高と最低の点数を除いた残りの点数の平均点が採用されることになっています。
最終的には、基礎点にGOEを加算して技術点を出します。
このことから、難易度の高い技を完璧に行えば行うほど、技術点が高くなることがわかります。

フィギュアスケートの演技構成点とは
フィギュアスケートの演技構成点についてご紹介します。演技構成点とは、演技審判が次の5つの項目を評価して出される得点のことです。
- スケート技術(演技のスピードや質などはどうか)
- 要素のつなぎ(要素と要素の間の動作の難易度などはどうか)
- 動作/身のこなし(演技力・表現力はどうか)
- 振り付け/構成(バランスのとれたプログラム構成になっているかなど)
- 曲の解釈(曲に合った動作や表現となっているか)
ファイブコンポーネンツということ言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、まさにこれが演技構成点のことを指しています。
それぞれの項目は10点満点で、0.25点刻みで計算されます。
公正を期すために、最高と最低の点数を除いた残りの点数の平均点が使われます。
項目ごとに決められた係数を掛けて算出した得点を合計したものが演技構成点となります。

フィギュアスケートの減点ルール
フィギュアスケートの減点ルールについてご紹介します。減点は、ルールに対して違反行為があったと認められた際に行われます。
違反行為の有無は、技術審判が判断することになっています。

ここから、減点の対象となる主な違反行為をご紹介します。
転倒
もっともよく見かける違反行為です。
手を軽くつくぐらいなら減点されません。
転倒の回数によって、点数が異なります。
1~2回・・・-1.0点
3~4回・・・-2.0点
5回以上・・・-3.0点
演技の開始の遅れ
演技は名前を呼ばれてから30秒以内に始めないといけません。
1~30秒の遅れ・・・-1.0点
演技時間の違反
演技時間は、次のように決まっています。
- 男子・女子ショート・・・2分40秒±10秒
- 男子・女子フリー・・・4分±10秒
このルールに対して、違反した場合に減点の対象となります。
5秒の過不足に対して-1.0点
衣装・小道具の違反
過度に肌を露出する衣装の着用は認められていません。
実際には過度に肌を露出していないくても、そのように見えるだけでもダメな場合があります。
タイツ・長ズボンを着用しないといけません。
小道具の使用は認められていません。
羽など衣装の一部が氷上に落下すると減点の対象となります。
上の違反があれば、プログラムごとに-1.0点
要素・動作の違反
バク宙などの違反行為を行うと減点の対象となります。
要素・動作ごとに-2.0点
10秒を超える演技の中断
10秒を超える演技の中断があった場合は、減点の対象となります。
10秒ごとに-1.0点(40秒まで)
フィギュアスケートは採点競技なので、0.01点で順位が変わることがあります。
減点の対象となる違反行為を犯すことは致命的です。
そのため、選手が細心の注意を払っているので、転倒以外の違反行為を見ることはほとんどありません。