SMAPが過去にまったく売れず、解散の危機に直面していたことを知っている人は意外と少ないようです。
デビューしてすぐに売れて、どんどん大物になっていったという印象が強いです。
80年代後半から90年代前半にかけては、先輩の光GENJIの大ブレイクで、SMAPはほとんど目立たない存在だったようです。
本来であれば、光GENJIに続いて大ヒットといきたいところでしたが、まったくと言ってよいほどうまくいかず、苦戦を強いられていたそうです。
そんな時、ジャニー社長のアドバイスで一筋の光が見えたといいます。
世の中は光GENJIに飽きがきていて、バンドのブームとなっていた。歌番組が一気に減ったことで、テレビに露出する機会を失ったSMAPは深夜番組に活路を見出すしかない状況だった。ジャニー喜多川さんは「ユーたちはジャニーズのドリフになりなさい」とアドバイスし、SMAPはジャニーズでは初めて、コントで被り物姿を披露するアイドルとなったのだ。
後に中居正広は、「少年隊みたいになりたかったのに、なんで被りものしてコントしないといけないのか」と当時の葛藤を告白しているが、それと同時に現在があるのは「あの頃があったから」と当時の経験に感謝しているとも語っている。
歌って踊って、さらに面白いこともできるスーパーアイドル。そこに往年のエンターテイナー集団「ドリフターズ」を重ねたジャニーさんの狙いはずばり当たった。ジャニーズのアイドルが歌だけで活動していれば良い時代は終わっていた。そこにいち早く気付いたジャニーさんによって、かっこいいのに面白いジャニーズの時代が到来する。当然、SMAPはジャニーズファンの少女というより、お茶の間の人気を勝ち取っていった。
(東京 BREAKING NEWSより引用)
さすが、ジャニー社長ですね。
目の付け所が違います。
当時のジャニーズと言えば、バリバリのアイドルで、お笑いなんてあり得ない時代でした。
いかにキザに決めて、女性の心を掴むのかが重視されていたような気がします。
おそらく、ジャニー社長は、当時SMAPはどう頑張っても同じ路線の光GENJIには勝てないと思ったのでしょう。
ならば、まったく正反対のお笑いの路線に活路を見出そうと考えたのかもしれません。
本当に斬新な発想です。
“アイドル+お笑い”は、当時ほとんど誰もやっていなかったのではないでしょうか?
少なくても、ジャニーズでは初めてだと思います。
これが見事に当たりました。
そして、光GENJIがメンバー同士の不仲や解散で自滅してしまいましたので、一気にSMAPに注目が集まるようになりました。
もし光GENJIのメンバー同士が仲がよくて、解散せずにずっと続いていれば、どうなったのでしょうね。
もしかしたら、SMAPの時代はなかったかもしれませんね。
常に光GENJIの陰に隠れて、それほど目立っていなかったかもしれません。
そうか、バラエティ路線で大ブレークし、実力で光GENJIをねじ伏せていたかもしれません。
こればかりはわかりませんが。
光GENJIの解散がSMAPにとって、大きくプラスに働いたのは間違いないと思います。
「なんで被りものしてコントしないといけないのか」と言った中居の気持ちはわかりますね。
当時のアイドルと言えば、カッコいいが前面に押し出されていて、お笑いの要素などほとんど必要ありませんでした。
もちろん、ジャニーズに入った中居が憧れていたのは、そのようなアイドルだと思います。
ジャニー社長に「ドリフのようになれ」と言われても、納得できなかったと思います。
しかし、このジャニー社長のアドバイスがなければ、今のSMAPはおそらくないでしょうね。
正統派アイドルの道を歩んでいたならば、売れなかったかもしれません。
ジャニー社長には、先を見通す優れた力があるようです。
一方、SMAPはCDのリリースも苦戦が続きました。
リリースしたCDもデビューは辛うじて2位にランクするも11作連続で1位にはなれなかった。この遅咲き振りもジャニーズ事務所では異例だ。念願のチャート1位を獲得できたのは、通算12作目のシングル『Hey Hey おおきに毎度あり』。デビューから3年目の春だった。
(東京 BREAKING NEWSより引用)
1位になるまで3年もかかったそうです。
今なら考えられませんね。
ジャニーズは、ランキングにかなりこだわりを持っています。
そのため、1位が獲れるようにライバルのリリース状況を念入りにチェックし、リリース日を決めます。
この当時はそのようなことをしていたのかどうかはわかりませんが、3年はかかり過ぎているような気がします。
それだけヒットせず、苦しんだということでしょうか?
SMAPと比べれば、今のジャニタレは恵まれていますね。
SMAPがいろいろな挑戦をし、新たな路線を切り開いてくれていますので、すでに出来上がったレールの上を走ればよいのです。
歌だけではなく、バラエティなどもはやジャニタレにできないことはほとんどないのです。
意欲さえあれば、何でも挑戦できる時代になっているのです。
そういう意味では、SMAPはジャニーズにもっとも貢献したグループと言っても過言ではないと思います。